忍者ブログ

“Endbreak,Daybreak”

PBWプレイヤー様向けキャラクターブログです、お手数ですが先頭の記事の注意書きをご一読の上お楽しみ下さい。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ハレーゲイザー」

「……次。死にたい奴から前へ出ろよ」

ざりっ、と足元の砂利を踏みしめる音がいやに響く。
血とも体液ともつかぬものが付着した得物――二振りの細身の槍をぶんと振り、
眼前に残るゴーストを一瞥しながら、学生服姿の少女は言い捨てた。
昏い笑みを顔に張りつけ、逆光で光る眼鏡でその瞳は見えないが
きっとそれは爛々と輝いているに違いない。

「来ないならこっちから行くよ……?」
残るゴーストは遠距離射撃型、言葉の通り少女は踏み込んで――
は、行かなかった。間合いを詰める必要が、そもそもなかったからだ。
ざわ、とゴーストが本能のままに動く。攻撃動作に入る。しかし。

「――遅い!!」
『ギャ、アアアアアアアアア!!?』
少女の咆哮とゴーストの絶叫。何が起きたのか。それさえも理解させない!
「もう一撃欲しい? あっはははは、……くれてやるよ!!」
今一度問う、何が起きたのか。少女が二振りのうち大きい方の槍を突き出すと、
同時に魔方陣が展開し、それを起点に文字通り――空間がぐにゃり、と歪み
それは一瞬にして葬り去るべき敵をめがけて放たれる――『蒼の魔弾』。
『――――…………!!』
そうして二撃目も命中、今度こそゴーストの存在そのものを消し飛ばした。

「よく頑張ったね、褒めてあげるよ――せいぜい成仏するんだね」
無邪気に言い放つ少女。さも愉快げに、少女は最後まで笑顔だった。

「……さとる、来ますよー、増援ですねぇ」
「みゅ! さとる、数が多いのね。気をつけてっ」
少し離れたところで戦っていた同行の仲間の声がする。
「待ってました! 誰かが床でも踏み抜かないかと思ってたんだよ!」
もう終わり? そう言おうと思っていた。そこへ来たゴーストの増援。
願ったり叶ったりだ。まだ、取っておきを披露していないのだから――。

「氷一さん、流火さん、少し足止めをお願い」
武器封じを得意とする霞谷・氷一と、少女――栢沼・さとると
同じジョブ構成の月夜野・流火が今回のゴースト討伐の同行者であった。
「おお怖い、やるんですかねえ、アレを」
「さとるはにゃんだーばーどだけど、アレを使うのが一番上手なのね」
氷一が肩を竦めながら魔蝕の霧の準備に入り、
流火が愛らしい猫の耳をみくっと動かして雷撃の嵐を巻き起こす構えを取る。

氷一の霧はわらわらと殺到したゴーストをあっという間に無力化させ、
さらに流火のライトニングストームによって、動きまで止められる。
――そこへ。
「我こそは星詠みの魔女、さあさ、おいでなさい!」
少女――さとるは、先程前方に突き出した青銅の槍を天高く突き上げ――叫ぶ!
「『隕石の魔弾』!!!」
星を喚ぶその声に呼応するように、中空に無数の魔方陣が展開され
炎に包まれた隕石が魔方陣の数だけ――つまり無数に降り注ぐ!
その様、まるで流星群。直撃を受けたゴースト達は哀れ灰塵と帰した。



「……さて、気が済みましたか?」
食えない顔で、氷一がさとるの顔を覗きこむ。
さとるからは今や先程までの戦闘狂じみた様子はすっかり抜け、
槍に縋るように立っているのが精一杯という有様だった。
「……はい、ありがとうございます……」
「みゅっ、さとる、無理はだめなのね。みんな心配するん」
愛くるしい尻尾をゆり、と揺らして流火がさとるの頭を撫でる。
「……すみません、そういうの、慣れてなくて」
「今度は草楼も一緒に連れてくるんよ? 約束なん」
「…………」
「流火、今はいけませんよー。今日は憂さ晴らしのために来たんですし」
「……先輩が一緒でも、私のこの戦い方は、変わりません……」

そう、昔から――能力に目覚めた時からそうだった。
鬱屈した何かをぶちまけるかのような戦い方。
イグニッションが解けると、今のような虚脱状態に陥ってしまうこと。
「リベレイション」の力で、隕石をも自在に操る力を得た代わりに
その落差はより激しくなったように、周囲からは思われた。
見る者が見れば、普通は心配のひとつもするだろう。

「さ、帰りましょう。敵さんももう打ち止めのようですよ」
氷一はあくまで我関せず、といった様子で帰還を促す。
今のさとるには、その無関心さが却って嬉しかった。

「お付き合い、感謝します――」
弱々しい笑みで、さとるはそう礼を言った。

----------------------

「さとるさんの戦闘シーンってどんなんですかねー」と
鉄斎大先生に質問を頂戴したので試しに書いてみたのですが、
てんでなってなくてお恥ずかしい限りです……。しにたい。
とりあえず得物はサンダーピラー二刀です。でかいのとほそいの。

拍手

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 

無題

(▼Дl壁
  • うへー さん |
  • 2010/05/20 (22:12) |
  • Edit |
  • 返信

無題

ちょ、せめて何かひとことをおおおお!!!(笑)
若殿の反応が気になりますと背後も申しております故!
  • さとる さん |
  • 2010/05/20 (23:05) |
  • Edit |
  • 返信

無題

(=Дl壁
  • てっさい さん |
  • 2010/05/23 (14:22) |
  • Edit |
  • 返信

無題

えっ…ちょ…鉄斎さん…?
どうしてそんな目でこっち見るのwwwww
  • さとる さん |
  • 2010/05/23 (20:10) |
  • Edit |
  • 返信
  

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

プロフィール

HN:
ディルアーク・クライン(c18214)
性別:
男性
職業:
魔想紋章士/エンドブレイカー
趣味:
読書
自己紹介:
作成順は二番目であるにも関わらず、一番手のユリシーズを色々差し置いて多分一番人目に触れることが多いPCなのではないでしょうか。現在背後レベルで活動にムラがありますが、遂にランスブルグ編が来たので本気を出しています。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

バーコード

Copyright ©  -- “Endbreak,Daybreak” --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by petit sozai emi 
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]