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“Endbreak,Daybreak”

PBWプレイヤー様向けキャラクターブログです、お手数ですが先頭の記事の注意書きをご一読の上お楽しみ下さい。

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「恋は戦争」

「もう 行き場がないわ この恋の 熱量」

という訳でリアルタイムイベント「バレンタインデー」を契機に
思い切って憧れの先輩に告白したさとるっ子の詳細です。
本人的には憧れどころか「秘めた恋心」状態だった訳なのですが
それ全然秘めてないから(笑)ということで。

例によってログから起こしただけの小話ですが、
事の一部始終は「ふたりのベストプレイス」から見れたりします。
途中真面目に2人バトピンの相談を始めるあたり、
戦いから知り合った2人らしいと思いましたが(笑)
ログの最初と最後は大変若くて恥ずかしいログとなっておりますので
閲覧の際はお気をつけ下さい。いや割とマジで。

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まるで、恋愛シミュレーションゲームのエンディングのようだと思った。

ただし、自分が想像していたのは、所謂「ごめんなさい」をされた未来。
やっぱり泣いてしまうんだろうか、とか
今までの関係が崩れてしまったらどうしよう、とか
言わなければ良かったと一生後悔し続けるんじゃないか、とか。

何故なら意中の彼は孤高の人で、基本的に人との係わりを多く持たない。
自分に優しくしてくれるのも、妹か何かと思ってのことなのではないか?
聞けば綺麗な女性のお弟子さんが居るとのことだが、
もしかしたら師匠と弟子「以上」の関係なのではないか?

……などと不安要素ばかりが盛りだくさんで、
とても前向きになどなれなかったのだった。

それでも周囲の人々から背中を押され、告白を決めてからの一週間は
勉強も趣味の同人誌原稿にも全然手がつかず、
もういっそ寝てしまおうと早めに寝床に着いたら一向に眠れなかったり、
チョコレートを用意しないといけないということに気付いて
慌ててデコチョコの会に参加して想いのたけを描いてきたり。

それでも、勝算は限りなくゼロに近いと、覚悟していた。
だから、そんなネガティブな未来しか想像出来ずにいた。

「……先に言っておくが、俺は甲斐性はない方でな」

ああ、やっぱり駄目だったかな。
相手を直視出来ず自分の顔を覆って俯いたまま、そう思った。
胸の鼓動が激しい。顔が熱い。きっと真っ赤に違いないだろう。

「……惚れてくれた女を、満足させてやる事など、俺には出来んと思うけどな」。
「そ、そ、そんなことないです!今までも十分幸せにしてもらってきました!
 ただ私が欲を張ってしまった結果がこれでして……」

そう、今までの関係で十分だった筈だった。
今更ながらに思う、これ以上何を望むのかと。

どうしよう。
泣きそうだ。

ああ、どうか早く次の言葉を。どうせなら早く引導を渡してください。

「それで良ければ――もとい。それに我慢できるなら、ついてくるがいい。
 まぁ、実際見せられるかはわからんが……違う景色を、見に行こう」

――え?

「……ほえ? 先輩、今何て……」

やや曖昧な言い回しに困惑して、自分でも間抜けな位きょとんとしてしまう。
ええとこれは、オッケー、了解、よろしくお願いしますということで良いのか?
暗に問うたのが伝わったのか、かの想い人は言葉を改める。

「なんだ、もっとハッキリ言えと。意外とSだな、嬢。
 ……愛してる、などと言うのは説得力がないな。ふむ……」

十分だ!!
目を回しそうになりながらも、少しの間を置いて紡がれた言葉を
今度こそ相手の顔を直視しながら、しっかりと聞いた。

「共に生きよう、さとる。……これならわかるか?」

ああ、何ということでしょう。
私、オッケーだった時のこと、何も考えてませんでした!
どこかで見た雰囲気だなと思ったら、そうだ、これは。

まるで、恋愛シミュレーションゲームのエンディングのようだと。
しかも、ハッピーエンドの方の。

あれは結構ずるいもので、晴れて結ばれた後の話には言及しない。
合わせて駄目だった時のシミュレートばかりしてきた自分には
この先どう話を進めて良いのかがわからない。

しかし、これだけはしっかりと言わなければと思った。

「はい……すごくよくわかりました……素敵な景色、見せて下さいね……」

漫画でならいくらでも描けるような台詞を、まさか自分が言うことになるとは。
しかしそれにしても、今までも十分一緒にいるだけで世界が輝いていたというのに
こうして特別な関係になった今、一体どうなってしまうのか。

「あぁ、まぁ努力しよう。……さて、差し当って……
 まずは何をするもんなんだ、恋人同士ってのは」

逆に聞かれてしまった!?
先輩、それは、こちらが聞きたいです!
一応自分にも知識だけはある。しかしそれは大概が男性主導のもので。
……そうか、甲斐性なしというのは、こういうことだったのか……!

「そ、そ、そうですね、その……漫画だと、
 手をつないで一緒に歩いたりは王道ですし、他にも……ええと……」

お前も漫画やらゲームやら映画やらからしか知識がないのか!
と、周囲が見ていたらきっとツッコミを入れるに違いない。
しかし今の自分にはこれが精一杯。何しろ何も考えていなかったのだから。

「応。手を繋ぐのか」

大きくてやや骨ばった手が、自分の手を取ろうとする。
それをたどたどしく握って、繋いで、ようやく実感する。

ああ、恋人同士に、なれたんだ。

「ばれんたいんでーは、とくべつなひだからだいじょうぶ」
と言ってくれた友人の言葉を思い出す。
聖人の加護もあろうというものです。今なら信じられる。

今日のこの日を、告白の日に選んで、本当に良かった。
後で背中を押してくれた皆に感謝して回ろう、そう思った。

繋いだ手は意外に暖かく、愛しかった。
そうなると後は想いが溢れて止まらない。
どれだけ貴方のことが好きでいたか。洗いざらい打ち明けよう。
それから、それから、まだまだ続く。

そう、エンディングなんかじゃない。ここからが、ふたりのはじまり。

手を取り合って、どこまでも。

---------------

その後、例によって入居している寮の寮長(趣味:寮生いじり)から
散々いじり倒されたり、実はこの告白劇の一部始終が
「見ようと思えば誰でも見られる」ということが判明したりして
さとるが卒倒寸前まで陥ったことは、また別のお話。
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性別:
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職業:
魔想紋章士/エンドブレイカー
趣味:
読書
自己紹介:
作成順は二番目であるにも関わらず、一番手のユリシーズを色々差し置いて多分一番人目に触れることが多いPCなのではないでしょうか。現在背後レベルで活動にムラがありますが、遂にランスブルグ編が来たので本気を出しています。

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